溺愛カンケイ!

田中主任が出ていった扉をじっと見つめていると拓也さんが私の肩を抱き寄せ


「よく頑張ったな、花音」

ギュッと抱き締めてくれた。

そして感じる事はやっぱり私の居場所はここなんだと。


「拓也さん…田中主任を傷付けてしまいました。でも…正直に話せてよかったです」


大好きな拓也さんの胸に顔を埋めるとシトラスの香りに包まれホッと一息ついた。

恋愛ってホントに難しい。
誰かを傷付けてしまっても貫き通したい想いがあるというのを知った。


「ああ、田中もすぐには無理だろうが…吹っ切れて前に進んでくれる事を願うよ」


拓也さんの言葉に何度も頷いた。

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