溺愛カンケイ！

私に営業事務なんて務まるのかな。

営業は総務と違って人付き合いとか大事だって言うし…。
私が一番苦手な分野だ。人見知りするし。

ため息をつきながら台帳を開いてると


「花音チャンやったね。営業に異動なんて」


明るく声を掛けてきたのは総務の先輩の花山鈴さん、27歳。
もちろん彼女も既婚者。


美人でサバサバしてて何も分からなかった私に優しく指導してくれた先輩。
しかも主任でいつも頼りにしてる人。


「あの、営業に異動するのがそんな喜べる事なんですか？」


花山主任の言った意味が分からず聞き返した。