槍水仙

「・・・・」



「澄?・・・どうしたのだ?」



「へ・・・、あ・・・いや、これはっ・・・」



何で涙・・・



秀平様の前なのに・・・どうしよっ・・・




涙を止めたい気持ちとは裏腹に、次々と溢れ出してくる。





「すいませんっ・・・、すぐ泣き止みま・・・・・・・す・・・・・秀平・・・・・・・様?」





え、何が起こっているの?



後ろから感じる、人のぬくもり・・・



その正体が秀平様だと気づくのには、時間がかかった。




「秀平様、いけませんっ、こんなとこ見つかったら・・・」



「かまわん」



「でもっ・・・」



「俺は・・・澄が泣いているの、見たくない。どうやったらその悲しみを癒せる?」



「秀平様・・・」



「何故澄が泣いているのかは、聞かない。聞けない。いつか話せる日が来たら、話して?週に1度しか会えないけど、文ならいつでも待っている。すぐ返事を書く。何かあったらすぐ知らせて?兼次遣わせるから。ね?」



「そんな、もったいない・・・」



「俺は、澄を守りたいの。支えになりたい。嫌がられても付きまとう。澄が、心からの笑顔になるまで、俺がそばにいる」



「本当に・・・?・・・お母様みたいに、いなくならない?」



「いなくならない。そばにいる。約束」



「ありがとうございます、殿」






こうして、私と秀平様の距離は縮まっていった。


< 21 / 21 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

今日もアオゾラ、お元気ですか?
陽咲∞/著

総文字数/61,052

恋愛(その他)171ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
どれだけ泣いても 涙はかれない。 どれだけ悲しんでも 悲しみは消えない。 なら、 笑顔でいよう。 そう決めた。 ■□■□■□■□ PV数3000突破!!! ありがとうございます!!!
across
陽咲∞/著

総文字数/5,205

恋愛(学園)12ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「好きです」 そう言ってくれた君は 輝いていた。 でも未来は 僕を待っている 君を待っている 未来へ一歩 across 夢を叶えるために.... □■□■□■□■□ start:Mar.20.wed.2013
線香花火
陽咲∞/著

総文字数/3,639

恋愛(純愛)25ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
線香花火。 たった何秒の間に パッと輝き、 パッと消える。 何て儚いんだろう。 でもきっと・・・ あたしの想いも・・・ 【短編 第2弾です】

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop