ほろ酔い気分で聖夜を過ごす


花瓶の底に種子が落とされ、早回しの成長が起こる。出来上がった一輪の薔薇は、紛れもなく『見て楽しむもの』であり。


「これで落ち着くだろう、“一番目”。君の黒い瞳に似合う赤い花だ」


瞬間、様々な言語が飛び交う。


『あいしてる』『アイシテル』『I love you』『Ich liebe dich』『Je t'aime』『Te amo』『Te quiero』


「君の熱情は良く知っているが、見透かそう。ますますもって、君は私に恋をするか」


並べられた愛の言葉はもはや病的であるが、向けられた当人は涼しげに笑うのみ。


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