ほろ酔い気分で聖夜を過ごす


「人から受ける好意は心地好いな。最近は、我が友人に素っ気ない態度ばかりをされたものでね、君のその好意はよく身に染みる。語り明かしたいほどでもあるが、何分、君とは時を忘れるまで喋ってしまったし、私の意見に対して君はずっと『愛している』としか言わないものだから、会話が成り立たない。君は私の声を聞き、話を聞かぬからつまらないと思えてしまう。――ああ、誤解ないよう言っておくが、君の好意が心地好いのは本当の故、私もまた君を好きではいるがな」


『あいしている』『アイシテル』『あい』『愛』『スキ』『好き』『あいしテイル』


「やはり君の『返事』はそれしかないか」


「ボクもおじいちゃん好きだよー」


チョコでベタつく手のまま子供が、おじいちゃん(ソレ)と手を繋ぐ。


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