ほろ酔い気分で聖夜を過ごす
汚い手で触るな、とした激怒の文字が浮かんだのも気にせず、子はこれみよがしに握った手をぶんぶん振った。
「おじいちゃんは、ボクを愛してくれるから好きー」
「ああ、私は“君ら”が愛しいよ」
笑顔以外を知らぬ顔は、全てを愛でるそれであっても、よくよく見れば、ペットでも見るかのような微笑みだった。
全人類を下(かわいいもの)として、見下げる神の笑顔は変わらず。
「無論、私が感じ取る“君たちすらも愛しい”」
こんな物語を見ている人々よ。
「君が私を見ているならば、逆説、私とて君を感じ取る。“こちら側”から見ているよ、その顔を」
だから向けよう、祝いの言葉を。今日はそんな記念日故に。
「メリークリスマス」
君が送る聖夜に祝福あれ。

