サッカーボール
始まり
『ジリリリリリ!!』
朝の7:00に目覚ましがなる。
朝起きてカーテンを開ける。
『眩しッ…』
これから始まる新しい高校生活を明るく照らしてくれているかのような気持ちの良い青空が広がっていた。

朝ご飯をちゃんと食べて、学校へ向かう。
初めて通学で利用する電車、初めての駅、初めての制服、初めて会う人達、全てが緊張を高める。

学校に着いて、クラス分けを見る。
『…良かった~。』思わず声が出た。
中学から仲の良いトシが一緒のクラスだったからだった。

初めての教室に入り、席に着く。知らない顔が広がっているなかで、トシが教室入ってきた。

トシがこっちに近寄り、笑いながら
『助かったな』と言った。
俺の顔も笑顔になった。

担任の先生が挨拶を済ませて、これからの事を話す。
長い…疲れるなぁ。
そんな事を考えながら、外を見ていた時
『あの~』
隣りにいた女の子が話しかけてきた。
ふいをつかれて、動揺したが、それを隠して平常心で
『何?』と答える。

『シャーペン貸してくれない?』
『ああ~いいよ。』
『ありがとう。』
こんな何気ない会話をした事がきっかけで彼女とは仲良くなった。彼女の名前はユキ。ちょっと天然な子だ。
高校に通いはじめて一ヶ月。高校生活にも慣れはじめてきた頃、いつものようにトシと一緒に部活へ向かう途中で、ユキに呼び止められた。
『私サッカー部のマネになってあげよっか?』
笑いながらユキが言った。
『天然ボケのマネはいらないかなぁ~。ちゃんと仕事出来てもらわないとだからさッ』

『ちょっと~!!トシ私ちゃんと仕事出来るよね?』
『…ムリじゃねぇ』
俺とトシはいつもユキをからかう。
『じゃぁ。マネしないからねー!!マネ一人もいないのにかわいそう。』
『じゃぁ部活だから、また明日な。』
『待って!!来週の金曜は部活ないんでしょ?私の友達と放課後遊ぼうよ。』
『いいよ。トシも行くよな?』
『別にいいけど。』
『じゃぁ決定ね。こっち3人いるから、あんた達もう1人呼んでねー。』
と言って、ユキは帰って行った。

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