シークレット ハニー~101号室の恋事情~
元々近くにいるから、少し背伸びすれば五十嵐さんにキスすることができそうだった。
だからさっさとしてしまおうと距離を縮めたけれど、こちらをじっと見て微笑んだままの五十嵐さんに気付いて止まる。
「目、閉じておいてください」
今まで何度もしているとは言え、自分の顔をこれでもないほど間近で見られるなんて恥ずかしすぎると訴えると、五十嵐さんは素直に目を閉じた。
それを確認してからそっとキスをして離れたところで、腰に回っている腕に止められる。
何かと思っていると、もっとと目を閉じたまま言われて。
短かったのかな、と戸惑いながらももう一度唇を合わせて離れると、また同じようにして止められた。
「……何度告白させる気ですか」
告白なんて普通一回で済むものなんじゃないの?
その告白の代わりにキスしているんだから、それだって一度でいいハズなのになんでこんなにダメだしされなくちゃならないの。
ただでさえこの距離が恥ずかしいのに。