シークレット ハニー~101号室の恋事情~


ゴミだってルールを守って出してるし、誰だか分からなくても近所を歩いてる人には笑顔で挨拶だってしてるしトラブルなんか起こしてない。

テレビの音も気を付けてるし。その前にテレビ自体あまり見ないけど。

洗濯機とか掃除機も、朝早い時間と夜遅い時間は避けてる。
ポストに郵便物だってためてないし、家賃だって遅れた事はない。
部屋だって、見せられる程度にはきれいに使ってる。

管理人にとっては、模倣的ないい住人のハズなのに……。

私、何を握られてるの?

思い当る節が何一つ見つけられなくて、もう五十嵐さんが嘘をついてるんじゃないかとすら思いながら見ていると、ふっと笑われる。

その微笑みは、今まで見た穏やかなモノとは違っていて……なんだか意地悪く見えた。


「……なに?」
「不感症って、本当?」


一瞬、時間が止まった。
っていうか、凍った。
ああ、なるほどね。さっきのやりとりを聞いてたわけですかなるほど。



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