シークレット ハニー~101号室の恋事情~


「なんですか?」
「いや、そんな芸能人とエッチしちゃうとか雨宮らしくない気がして、改めて驚いてただけ」
「もうこの話やめましょうよ。自分でも浅はかだったって反省してるんですから」


ため息交じりに言ったのに、福島さんは私の言葉なんか聞こえていなかったみたいに続ける。


「別にいいじゃない。
それくらいの遊び、みんな一度や二度経験あると思うけど。
雨宮が真面目に過ごしてきただけで」
「じゃあ福島さんも?」
「学生の頃はねー。軽い気持ちで恋愛した事もあったりしたよ。一夜の恋とかね。
さすがに社会人になってからはないけど」
「……さすがにそうですよね」


社会人の私がするような行為じゃないですよね。
肩を落としながら苦笑すると、福島さんが「マイナス思考禁止」って人差し指で私を指す。


「雨宮はもっと前向きに考える癖をつけた方がいいよ。
別に、今は彼氏がいるわけでもないしいいじゃん。
雨宮がやらかしちゃったって思ってるだけで、誰も傷ついてないんだし。
避妊はしたんでしょ?」
「はい……」



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