プラトニック
……そして、初めて知った。


瑠衣はわたしが予備校をやめてからも、ずっとメッセージを書き続けてくれていたということ。
 

それはまるで日記のような
 
出す予定のない、
手紙のような――。





――――――――――

先生からもらったメール、何回も読み返してる。

先生のメールはいつも短いけど、たまに絵文字入りやねんな。

それだけですごい嬉しかった。


――――――――――


先生、なんでいきなりやめたん?
ムカつく。すごいムカつく。正直憎い。でも、めちゃくちゃ好き。


――――――――――


今日はついに爆発して、栗島とケンカしてもーた。

ただの八つ当たり。ダサいな俺。

なあ、先生。“好き”って言ってくれたんは何やったん?


――――――――――


こんなウジウジした自分と早くサヨナラしたい。

立ち上がれ! 俺!!!


――――――――――


なんで俺、ひとりでこんなところにメッセージ書いてるんやろう。


――――――――――


けっきょく俺は先生のこといくら忘れようとしても無理やねんな。

決めた。
どうせなら、とことん先生のこと想い続ける。


――――――――――


しばらくはこのノートは俺ひとりやけど、いつか戻る人のために温めとかんとね。
でないと寂しいしな。

がんばるよ、俺は。




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