プラトニック
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今日から新しい予備校。けっこういい感じやった。

でも俺はやっぱり、英語は水野先生の授業が一番好きです。

いつかまた、あの授業を受けたいなあ。


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ビックリした。先生とまさかの再会。いや、葵と。

……嬉しくて泣いてもうたん、気づかれへんかったかな。


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なんか今さら、このノートを葵に見せる勇気がなくなってきた。

まあええか。俺の独り言。ただの日記やから。

こんな葵一色のノート、見せられるわけがない。


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もうすぐ入試。その日は葵も叔父さんに会いに行くらしい。

めっちゃ心配やけど、がんばれ葵!!


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なあ、葵。俺の存在がお前のこと苦しめてるんかな?


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葵にどう触れたらええんかわからへん。でも、焦るな、俺。
大丈夫。大丈夫!


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葵。お前のことが大好きやのに、うまく伝える方法がわからへんねん。

俺、やっぱアホやな。

ごめんな、葵。









……ぽろぽろと涙があふれ出て。
 

途中で文字が読めなくなった。
 


瑠衣。


ごめんね。

いっぱい苦しめてたんだね。
 

いっぱい悩ませていたんだね……。




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