青色キャンバス
「なんだ、いないじゃーん!!」
「また逃げられちゃった〜」
女の子達の落胆した声が聞こえる。
「帰ろー」
「うん、そうだね」
ぞろぞろと部屋から女の子達が出ていく。
教室には私と秋君の二人っきりになった。
「先輩、大丈夫?」
私を抱きしめたまま秋君が尋ねる。
「だ、大丈夫……っ!!」
そう言って顔を上げると、秋君と唇が触れ合いそうなほど近かった。
あっ…秋君が近い!!!
「先輩、先輩って小さいんだね」
「へ??」
秋君は私を見つめる。
突然どうしちゃったんだろう??
「そうかな?あ、でも私身長150㎝くらいだから秋君よりは…」
「うん、先輩は小さい」
秋君は私をさらに強く抱きしめる。
「…守ってあげたくなる…」
………え……?
今、なんて……?
「先輩、帰ろっか」
秋君は私を抱きしめる手を解いて教卓から出る。
「はい」
「あ、ありがとう…」
差し出した秋君の手に自分の手を重ねる。
…秋君……
秋君は、どうしてあんな事を……
それを聞く事も出来ず秋君の手を握り返した。