桜涙 ~キミとの約束~
「そんな事よりさ」
……こうして、話題をそらそうとするのがいい証拠だよね。
あんまりうるさく言っても仕方ないからと、私は追撃するのを諦めてリクの話を聞くことにした。
「なに?」
続きを促せば、リクはどこかホッとしたように肩の力を抜いた。
そして、穏やかな声で私に話しかける。
「随分気持ちようさそうに寝てたけど、いい夢でも見てた?」
「……夢……?」
そういえば、見ていたような気がする。
私はリクとの会話で、すっかり眠気が覚めた頭で、見ていた夢の内容を思い出そうとした。
けど、映像は脳内で再生されることはなくて。