もうひとつの恋
そしてまた何か言われる前に急いで電話を切る。


はあぁ……


仕方ない……とりあえず先方に電話しとかなきゃ……


今、切ったばかりの携帯を持ち直して、相手の番号を呼び出す。


小嶋穂香……


こんな名前だったっけ?


日曜日に会わなければならないというのに、俺は相手の名前さえよく覚えていなかった。


はあぁ……


もう一度大きくため息をつく。


どうせ会っても断るだけの相手に連絡しなきゃいけないなんて、正直しんどかった。


でも母親の手前、このまましらばっくれるわけにもいかない。


それに相手も連絡を待ってくれているわけだから、大人としてそこはきちんとしなければ……と思う。


ようやく覚悟を決めて、通話ボタンを押した。


プルルルル……プルルルル……プルルルル……プルルルル……プルルルル……


あれ?なかなか出ないな……


もしかして知らない番号からだから警戒してるんだろうか?


俺はそのまま辛抱強くコールし続けた。


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