もうひとつの恋
プルルルル……プルルルル……プルルルル……プルルルル……カチャ


「……はい」


ようやく電話に出た相手は、やっぱり警戒しているようだった。


俺はなるべく明るい雰囲気を出すよう心がけながら、自分の名前を告げる。


「あの、はじめまして!
桜井と申しますが……

小嶋穂香さんの携帯電話でよろしいですか?」


電話の相手が怪しいものではないとわかってホッとしたのか、彼女がそっと息を吐くのがわかった。


「はい、そうです

小嶋です、はじめまして」


しっかりとした口調で、はきはきと答える彼女に、俺はわりと好感を持った。


「連絡するのが遅れてすみませんでした

日曜のこと聞いてますよね?」


その途端、彼女はフフフッとイタズラっぽく笑いながら答える。


「はい、聞いてます

桜井さんもお母様に言われて仕方なくなんじゃないんですか?

連絡忘れちゃっても無理ないですよ」


図星を指されて焦りながらも、彼女もまた仕方なくなんだということがわかって気が楽になった。


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