もうひとつの恋
「いらないわけないだろ?

何言ってんだか……」


純ちゃんが吐き捨てるようにそう言って、ソファーの背もたれに預けていた体を起こした。


「親父が離婚歴があるって、純ちゃん知ってんだろ?」


「あ?あぁ……まあな?」


「そのときの連れ子だった女も知ってる?」


「連れ子?あー、いたっけ?そんなの

会ったことはないけどな?」


そう言ってテーブルに置かれたアイスコーヒーのグラスをゆっくりと持ち上げて、ストローに口をつける。


「その子がどうかしたの?」


すぐ隣の美咲が心配そうにまた俺の顔を覗きこむ。


しばらく迷ったけれど、二人に心配かけたままなのも悪い気がして、俺はようやくポツポツと話し始めた。


親父は俺よりその女を引き取りたいんじゃないか?


そんなことも含めて、今の気持ちを吐き出した。


テーブルの汗をかいてるアイスコーヒーのグラスについた水滴を見つめながら話していた俺の話を、二人は黙って聞いてくれていたけど、ふいに純ちゃんがプッと吹き出したかと思うと、ゲラゲラ笑い出した。


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