もうひとつの恋
「な!なんだよ!

人が真剣に話してんのに!」


バカにされた気がして頭に血が昇る。


挑むように睨み付けても、純ちゃんの笑いは止まらなかった。


「純!ちょっと笑いすぎだよ?

健太は真剣なんだから、ちゃんと聞いてあげなよ!」


美咲がたしなめるようにそう叫ぶと、ようやく純ちゃんの笑いはおさまった。


「悪い、ククッ

いや、お前、それあれだ」


「なんだよ?」


「完璧、妬きもちだろ?それ」


「なっ!」


「連れ子同士で張り合ってるって感じだろ?

部長が自分だけを可愛がってるんじゃなかったのが不満なんじゃないのか?

それ、もうお父さん大好きって言ってるようなもんだぞ?」


「ちがっ!」


顔が赤くなるのを感じて、俺は手で顔を隠した。


「純ちゃんなんか嫌いだ!」


そう叫んで立ち上がる。


「俺、帰る!」


そう言ってリビングを出ようとした俺を、美咲が腕を掴んで引き止めた。


それを振り払おうとしたとき、純ちゃんが特に気にする風もなく、ポツリと呟いた。


「いいこと教えてやるよ」


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