ロストバージン·レクイエム

だらん、としなだれかかっていると、両脇を抱えられてそのまま力任せにギューッっと抱きしめられた。子どもが、初めてプレゼントされたぬいぐるみにするように。


「ぐえっ」


しまった。変な声が出た。


「ごめん……」


力を抜いて頭を撫でてきた。声についてはスルー。


「……ベッドに行く?」

「お姫様抱っこがいい……」


川島君は私を抱っこすると、塞がっている腕で器用に部屋の照明を消して隣の寝室へ向かった。

心なしか急いでいるように感じる。

ほんの数歩なのに私も待ち遠しい。



買い物

手料理

ドライブ

お泊まり

キス

お姫様抱っこ



2人でしてみたかった事がひとつずつ現実になっていく。
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