ロストバージン·レクイエム
先端に触ってみると、どんどん潤いを増していく。
ぬるぬるぬるぬるぬる……
「ちょ、ちょっと……!」
「?」
「そんなことされたら我慢できない」
「入れる?」
「……」
口から出た後でムードもへったくれもない言い方だったと反省した。
彼がそれを気にしているかどうかは分からないけれど、敷いている枕の下からコンドームを取り出した。
銘柄は衣装ケースに入っていたものと同じ。
いつ仕込んだのだろう。
スマートさを演出しようとしている頑張りが透けて見えたような気がして、「可愛い」「健気だ」と思った。
ベッドサイドの明かりが点いて彼の裸体が浮かぶ。
私から見えないように背を向けて着けようとしているけど構わず覗き込んで困惑された。
「見たいの?」
「なんとなく」
着け終わるとこっちに向き直って再び2人でベッドに沈む。
いわゆる「ひっくり返ったカエルのポーズ」だ。
髪を撫でられるとゴムの匂いが漂った。