ロストバージン·レクイエム
手持ちぶさたなので川島君の手を握ってみた。
「……」
握り返してくれた。嬉しい。
そのままほぼ無言で、何本かの飛行機が飛んだり降りたりするのを行き来がなくなるまで見た。
「今日はもう飛ばないのかな」
滑走路の灯りも消えているように見える。
シートを起こそうと助手席左のレバーに手をかけたそのとき、川島君が覆いかぶさる様にキスしてきた。
そっと触れるだけの遠慮がちな。
あの日の感触が蘇った。