朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
暁は部屋にずんずん入っていき、お香を消した。


そして寝台に乗せられた二つの枕を見て、渋面を作った。


枕の位置が日に日にどんどん近付いていき、今日はついに枕がぴったりとくっついていた。


離そうと手をかけたが、暁は枕を持ったまま葛藤し、やっぱりそのままにすることにした。


枕が近いことによって柚と近づける欲望に打ち勝てなかった。


 柚のしどけない姿が嫌なわけでも、男を刺激する香りが嫌なわけでも、枕が近すぎるのが嫌なわけでもないのだ。


むしろ大歓迎だ。


でも柚がその気になってくれるまでは手を出さないと約束してしまったから、自分の欲望に火をつけるようなものはなるべく減らしたいのである。


 最近は柚がだんだん暁を受け入れてくれて、その分歯止めがきかなくなりそうなのに、こうして第三者から更に刺激を加えられると、暁としては非常に辛いのであった。
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