朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
貴次が胸に顔を埋め、歯と片手を使ってさらしを破いていく。


あっという間に上半身が露わになった柚は、恐怖で頭の中がいっぱいになった。


貴次の顔が胸に埋まる。


初めての感覚と恥ずかしさに、目から涙が浮かんできた。


 胸を揉まれ、先端を舌先で転がされても、全く気持ちよくなかった。


怖くて悔しくて、涙が溢れてくる。


 暁にも触れられたことのなかった胸を好きなようにされて、悲しくて仕方なかった。


このまま犯されてしまうんだろうか。


叫んでも誰も助けにきてくれなくて、絶望感でいっぱいだった。


「暁……暁……」


 柚は泣きながら暁の名を呼び続けた。


声が枯れて喉が痛い。


抵抗する力もだんだんなくなってきた。


柚は目をぎゅっと瞑りながら、ただ暁の名を呼び続けた。
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