朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「できないことはないが、そうするとお前は本当に死ぬことになるぞ」
「うん、それでもいい。由良を生き返らせてやってくれ」
柚は朱雀の顔を見上げ、にっと笑った。
朱雀は呆れたように大きなため息を吐いた。
「まったくお前は、本当におかしな奴だ。だからこそ、朱雀の巫女に選ばれたのかもしれないがな」
「サンキュ」
朱雀は両腕を広げるとゆっくりと瞼を閉じた。
すると朱雀の足元から上に向かって風が巻き起こり、雷が目の前で光ったかのような眩しさが辺りを包み込んだ。
それは一瞬の出来事で、柚が眩しさにやられて目を瞑り、恐る恐る目を開けた時には変わらずの白い世界と、飄々とした出で立ちの朱雀のみが立っていた。
「終わっ……たのか?」
柚が訝しげな表情で聞くと、「ああ、これで由良という女は生き返った」と朱雀は言った。
「そっか、良かった」
心の底から安堵している様子の柚を見て、朱雀は不満気に柚の顔をじっと見つめた。
「お前は生に対する執着心がないのか?
もう一度会いたい人とかやり残したことがあるとか普通は言いそうなものだがな」
「もう一度会いたい人……」
「うん、それでもいい。由良を生き返らせてやってくれ」
柚は朱雀の顔を見上げ、にっと笑った。
朱雀は呆れたように大きなため息を吐いた。
「まったくお前は、本当におかしな奴だ。だからこそ、朱雀の巫女に選ばれたのかもしれないがな」
「サンキュ」
朱雀は両腕を広げるとゆっくりと瞼を閉じた。
すると朱雀の足元から上に向かって風が巻き起こり、雷が目の前で光ったかのような眩しさが辺りを包み込んだ。
それは一瞬の出来事で、柚が眩しさにやられて目を瞑り、恐る恐る目を開けた時には変わらずの白い世界と、飄々とした出で立ちの朱雀のみが立っていた。
「終わっ……たのか?」
柚が訝しげな表情で聞くと、「ああ、これで由良という女は生き返った」と朱雀は言った。
「そっか、良かった」
心の底から安堵している様子の柚を見て、朱雀は不満気に柚の顔をじっと見つめた。
「お前は生に対する執着心がないのか?
もう一度会いたい人とかやり残したことがあるとか普通は言いそうなものだがな」
「もう一度会いたい人……」