エンドレス・ツール
「璃里香、今日がチャンスやで」
居酒屋で向かい側の席に座っているなつがニヤリと笑ってみせた。
「……は?」
昨日の夜。翔さんを交えて四人で飲みに行こうとなつに誘われてからちょうど一週間が経っていた。
「お、そうだよ、璃里香ちゃん。今日はガッといくチャンスだ。楽しみ~」
なつの隣の席のケイゴくんも話に混ざってきた。
見た目は正反対のこの二人、テンションが同じだよ……。
関西弁だけど清楚系ななつと、耳にピアスが数えきれないくらいついているいかにもチャラいケイゴくん。
だからなつが一目惚れしたのか。
「なにそれ……」
「お酒の場ってのは雰囲気作りが大事なんやで。あとはその雰囲気に流されるのは簡単やしな」
「……へえ」
ジントニックをぐびぐび飲んでいるなつの向かい側で、あたしはカシスオレンジをちびちび飲んでいた。
居酒屋で向かい側の席に座っているなつがニヤリと笑ってみせた。
「……は?」
昨日の夜。翔さんを交えて四人で飲みに行こうとなつに誘われてからちょうど一週間が経っていた。
「お、そうだよ、璃里香ちゃん。今日はガッといくチャンスだ。楽しみ~」
なつの隣の席のケイゴくんも話に混ざってきた。
見た目は正反対のこの二人、テンションが同じだよ……。
関西弁だけど清楚系ななつと、耳にピアスが数えきれないくらいついているいかにもチャラいケイゴくん。
だからなつが一目惚れしたのか。
「なにそれ……」
「お酒の場ってのは雰囲気作りが大事なんやで。あとはその雰囲気に流されるのは簡単やしな」
「……へえ」
ジントニックをぐびぐび飲んでいるなつの向かい側で、あたしはカシスオレンジをちびちび飲んでいた。