エンドレス・ツール
お酒を飲むようになったからといって、あたしは酒豪ではない。


翔さん家で飲むときもいつもせいぜい缶チューハイ三本が限界だ。


「わかってへんな、璃里香は。絶好のチャンスやんか。酔ってるふりをして介抱してもらう」

「家に送ってもらっちゃダメだからな。家の住所すら言えない泥酔のふりをして、家に連れてってもらう」

「そして、そこでガッと押し倒すんや。あとはあっちから襲ってくる!」

「げほっ、ごほっ……」


あたしは思わずむせてしまった。


言った本人のなつは、絶妙なコンビネーションで言ってのけたケイゴくんとハイタッチを交わしている。


何だ、その絵に描いたようなシチュエーションは。


この二人……着いていけない。


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