エンドレス・ツール
そばにいた店員さんに梅チューハイを注文して、あたしは焼き鳥に手を伸ばした。


「うちらはそうやって結ばれたもんな」

「そうだなあ。あの夜は凄かった」

「あれは、なつが完璧にべろんべろんだったと思うけど……」

「そうそう。うち、あの後ケイゴくん家で吐いたもんな」

「でもちゃんとやったもんな」


二人は顔を見合わせて「ねー」なんて言ってる。


もはや気持ち悪いの域だ、このカップル。


「ところで翔さんはいつ来るの?」

「バイト終わってから来るって。たぶん九時半は回る」

「璃里香、帰るんやないで」

「帰んないよ。日付変わっても待ちます」


翔さんに会うために来たようなもんだし。


「じゃあ、うちらは先に帰って夜の営みを楽しんでくるで」

「いや、まだダメでしょ。せめて九時半までいてよ」


どんだけやりたいんだ。


梅チューハイが来る。店員さんに渡されて、あたしはすぐに口付けた。


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