エンドレス・ツール
「……璃里香ちゃんのお友達、そんなに俺が嫌ならまた逃げれば?」

「あんたに指図される筋合いはないな。うちは璃里香の親友や。親友を心配して何が悪いん?」


ああ、この二人から火花散ってるよ。


よっぽど合わないんだな、この二人。


「……まあ、俺の口から話すのもどうかと思うけど」

「なんやあんた、ここまで話して焦らすか。言っとくけど璃里香は気になると夜眠れなくなる質でな。璃里香が寝不足になったらあんたのせいやで」

「……なつ」


何でたらめ言ってんだ、こいつは。


「……高橋くん、何か知っててこんなこと言ってんだよね」

「当たり前じゃん」

「じゃあ、教えてよ」

「……いいけど、最初に言っとくよ。璃里香ちゃん」

「はい」


高橋くんがいつになく真剣な目であたしを見てくる。


「しょーちゃんを選ぶなら、俺を選んで。……本気だから」

「……肝に銘じておく」


「まあ、いっか」と呟いて、高橋くんは口を開いた。


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