エンドレス・ツール
顔だけ後ろに向けると、ラブホの前で声をかけるのとは無縁と思われる顔…………。


「翔さんっ!?」


ドクンッとあたしの心臓が高鳴る。


「ごめんね。ちょっといたずらしてみた」

「もう、びっくりしたじゃないですか……」


な、なんか力抜けた。


くすっと笑う翔さんはスーツ姿だった。


手足が長い翔さんに、黒のスーツはよく映えた。


「翔さん、二年後に向けての早い準備ですか?」

「就活かよ……。違うよ、バイト帰り」

「家庭教師かなんかですか?」

「ん。予備校ね」

「すごい。イメージぴったり!」


翔さんが小学生に教えている姿を思い浮かべる。


わあ、子供逹とじゃれあう翔さん可愛い……。


翔さんと周りに群がる子供たちを想像したら、思わず頬が緩んでしまう。


人気講師だろうなあ……。


って、予備校か。小学生は塾か。


< 29 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop