エンドレス・ツール
「中学生に教えてるんですか?」

「メインはね。たまに高校生にも教えてる」

「翔さん、国語教えてそう」

「当たり」


イメージぴったりじゃん。


誠ちゃんも文学部出身だから、余計かな。


「人気あるんじゃないですか?」

「そんなことないよ。俺、まだまだだもん」

「でもあたしが生徒だったら、絶対翔さんに手取り足取り教えてもらいます。優しく教えてもらえそうだから」

「ははっ。ありがとう」


翔さんがポンポンとあたしの頭を撫でる。


手……大きい。


「ところでりーは? 真夜中に一人で」


普段呼ばれ慣れないからか、ドキッとする。


そうだ。この間なつが「りーって呼んでやってください」って翔さんに言ったんだっけ……。


なんだかくすぐったい。


「あたしもバイト帰りです」

「こんな遅くまで? どこで?」

「そこのカフェです。翔さん、来てくださいよ」

「ん。気が向いたらね」

「翔さん……つれない」


がっくりと肩を落とすと、翔さんはくすっと笑った。


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