エンドレス・ツール
「今は車運転するからいいけど、高校の時はバスも通ってなかったから、片道二時間かかった」

「わあ。じゃあ、毎日早起きですね」

「今じじいみたいって思わなかった?」

「思ってませんよお」

「嘘だ。その顔絶対思ったでしょ」


翔さんの手があたしの頭をわしゃわしゃと撫でた。


「わ、翔さん、髪の毛が崩れます!」

「髪型ね」

「わかってるんなら、やめてください」

「どうせ家帰って寝るだけなんだから」

「もお~」


頬を膨らませて見上げると、翔さんがははっと笑った。


「翔さん、車運転するんですか」

「するよ。車はまだ持ってないけど」


翔さんが運転かあ。


誠ちゃんも運転するって聞いた時、大人っぽくて素敵だなあって、前思ったことがある。


翔さんも運転する姿はかっこいいだろうなあ。


真剣な表情で前を向いて運転をする翔さんと、その横顔を助手席で見ているあたし。


その角度、絶対いい。




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