エンドレス・ツール
「……りー?」


あたしが急に黙ったからか、翔さんがあたしの顔を覗き込んだ。


はっ、いかんいかん、また妄想の世界に浸ってしまった。


でも、翔さんの、あ、アップ……。


すっとした鼻筋、大きめの一重、無造作に流している茶髪、形のいい唇。


やばい。唇に目が行ってしまう。


キス……してみたい。


「あ、あ、ご、ごめんなさい!」


慌ててパッと翔さんから目をそらすと、あたりはもう見慣れた家の前だった。


「あ、ありがとうございます、わざわざ送って頂いて。もう帰れるんで、大丈夫です!」

「え? りー?」

「じゃ、じゃあ、おやすみなさい!!」


あたしはそそくさとその場を去って、家に帰った。



玄関に入って背中でドアを閉めると、顔が熱くなっていたことに気付いた。


……やばい。


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