エンドレス・ツール
「あの人は人はいいけど、めんどくさいよ」

「むしろ、人がいいこと以外取り得ないやろ、あの人」


ふんと鼻を鳴らしてなつが言い放った。


「なつ、あんた翔さんのことそんな風に思ってたわけ?」

「事実を言ったまでやないの。なんなら、もっと悪く言ってやってもええで」

「頼むから翔さんにまで当たらないでよ。さすがのあたしも怒るよ」

「おーおー、怒ってみい。どんな璃里香が見れるか楽しみやわ」

「あの……二人とも喧嘩しないで。ていうか俺の話聞いてる?」

「聞いてる。高橋くん、続けて」

「いや、俺も嫌いじゃないよ。むしろ尊敬してるくらいだし。なんか、オーラが神様みたいじゃない? 怒ってるとこ想像できないというか」

「ああ、わかる。めっちゃ優しいもんね。神様っていうよりは仏様のイメージあるけど」

「どっちも同じやろ。とりあえず坊主にしとけば坊さんになれるで」

「なつ、二福キャンパスでケイゴくんが待ってるってよ」

「何!? 行ってくるっ!!」


あたしが言い終わらないうちに、なつは一瞬で目を輝かせて教室を出て行ってしまった。


「璃里香ちゃん……なつっていう人、実はバカでしょ」

「二度も騙されるんだから、確実にバカでしょ」


なつが出て行った跡を見て、高橋くんがぷっと笑った。


二福キャンパスはケイゴくんや翔さんがいるキャンパスだ。


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