恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
「気付いたのは昨日だけどね。
生徒会室を飛び出した朱莉を追い掛けて朱莉の教室についた時、ちょうど朱莉と山岸くんが話してるところだった。
その内容で、大体の事が分かった」
昨日の山岸との会話を思いだすと、ますます顔が熱を持つ。
だって、かなりボロボロに泣いてたから。
恥ずかしくなってうつむくと、先輩がふっと笑ったのが音で分かった。
「でも、今回は結構いい男を選んだね。
山岸くんは男の俺から見ても好感が持てる。
……だから少し焦ったけどね」
『今回は』って、どういう意味だろ……。
顔を上げてチラっと見ると、先輩は困ったように微笑んでた。