重なる身体と歪んだ恋情

彼女は如月に依存してる。

それは愛情とも取れるほどのもので信頼もあって。

私はそうなれるだろうか?

なんて考えに頭を振った。

どうして私は司に勝てないのだろう。

父も私ではなく司を選んだ。

彼女だけは違うと思っていたのに、顔さえ見れば私を思い出してくれると思ったのに。

結婚式の当日、彼女が私に向けた目は驚きではなく糾弾するような目だった。

彼女は私のことなど欠片もおぼえては無かった。

だからあの日のことも忘れているのかと思ったのに、


「先生、6年ほど前小さな女の子とワルツを――」


彼女はちゃんと覚えていた。

相手を私から大野先生に挿げ替えて。

それが堪らなく腹立たしくて――。


あの日の夜を思い出してまた首を振る。

無かったことにはできない。

あの時のことを話したら、彼女は私に心を開いてくれるだろうか――。
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