重なる身体と歪んだ恋情
その日から私はよくこの温室に行くようになった。
「また、ですか?」
「そうよ、だってもうすぐ花が咲くんですもの」
如月はいあまりいい顔をしなかったけど。
「郁っ」
「千紗様、おはようございます」
いつも私を迎えてくるこの笑顔には代えられない。
「もうカーネーションは咲いたかしら?」
そう聞くと郁はクスクス笑いながら、
「まだですよ」
って答えてくれる。
「でもハーブティーは出来ました」
「えっ? 本当!?」
驚く私にニコリと笑ってくれる郁。
「兄さんに渡しておきましたから今日のお茶はカモミールだと思います」
「……そう、ありがと」
ここで飲めるかと思ったのに、残念。
別に如月と一緒が嫌なわけじゃない。寧ろ二人きりならいろんなことを話せて楽しいのだけど。