星に願いを
「袴田さん?」
星子の体がふわっと誰かに抱きとめられた。
顔を上げると、悠の顔がアップで見える。
「きゃ、ごめんなさい。」
悠の腕に抱かれていた体を急いで起こそうとするが、足がまだふらふらしていた。
「袴田さん大丈夫? 具合悪い?」
悠が心配そうに星子の顔を覗いた。
星子の真っ青な顔は、ほんのり赤みが差した。
「大丈夫です、ありがとうございます。」
と慌てて腕をほどいて会議室を後にした。
―私どうしちゃったんだろうー
先程までフラフラしていたのに、体の中がポワッと温かい。
めまいと悠への自分の反応に、正直ビックリしてしまった。