星に願いを



悠は会議の間、顔色が優れない星子が心配になった。


皆がいなくなった頃を見計らって、会議室に戻ってみると、丁度出てきた星子とぶつかってしまった。


受け止めた星子の体はフワッと軽く、今にも消え入りそうな華奢な体だった。





本当は手を差し伸べてあげたい。


見守るだけではなく、この手で抱きとめてあげたい。


今すぐにでも、この思いを伝えたい。





トントン

「悠さん、終わりましたか?」


会議室のドアが開いた。


美紀の姿を見て、星子を今すぐ抱きとめてあげられない事が現実なんだと悠は悟った。



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