星に願いを


ダンッ!

「その話ならもう決まったことだ。」


創は悠の方を見ずに、椅子をクルッと回転させて席を立った。


すでに深夜に差し掛かった時間の取締役室。


ちょっとの物音でさえも大きな音に響いた。



「兄貴!」


「俺は忙しいんだ。お前だってアメリカの方はどうなってる?くだらないことに時間を使うな。」


創の吐き捨てるような言い方に、悠はイラッとした。


「何で白鳥と業務提携しなきゃいけないんだ!
しかもその為に結婚が必要だなんて、意味が分からない!
そんなことしなくたって、㈱漆原も白鳥物産も、この不景気の中で順調に成長しているじゃないか!」


「だからだよ。」



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