星に願いを
*
「着いたよ。寒くなかった?」
がらんと人気のない公園。
目をつむっていたせいで、ここがどこだかわからない。
しかし、何故だか星子の胸には懐かしさが込み上げてくる。
悠が先に歩いてブランコに座った
「ここが俺の特等席。」
手招きをして、星子を隣のブランコに座らせた。
「もしかしてここって…」
「袴田さんも、この場所知ってるでしょ?」
「は・はい。知ってます。でも来たの久しぶり。それにすっかり変わってしまって…。」
星子が以前住んでいたアパートの前にあった公園。
今ではすっかり様子が変わっていた。
住んでいたアパートは、大きなマンションになっているし、公園の遊具も全て新しくなっていた。
「昔は山の遊具や箱ブランコがあったんだけどな。」
悠が懐かしそうに笑った。
星子もつられて笑った。