星に願いを




「着いたよ。寒くなかった?」


がらんと人気のない公園。


目をつむっていたせいで、ここがどこだかわからない。


しかし、何故だか星子の胸には懐かしさが込み上げてくる。




悠が先に歩いてブランコに座った


「ここが俺の特等席。」


手招きをして、星子を隣のブランコに座らせた。




「もしかしてここって…」


「袴田さんも、この場所知ってるでしょ?」



「は・はい。知ってます。でも来たの久しぶり。それにすっかり変わってしまって…。」



星子が以前住んでいたアパートの前にあった公園。


今ではすっかり様子が変わっていた。


住んでいたアパートは、大きなマンションになっているし、公園の遊具も全て新しくなっていた。



「昔は山の遊具や箱ブランコがあったんだけどな。」


悠が懐かしそうに笑った。


星子もつられて笑った。



< 96 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop