星に願いを
「ガキの頃、色々嫌なことが続いてさ。ある時逃げ出したんだ、その現実から。」
「道に迷ってたどり着いたのはこの公園で。
メソメソしてたら声かけてきた奴がいて。」
悠は再びブランコを揺らし始めた。
「その子は女の子でさ。声かけてくれて。
最初は女の子と話すのが恥ずかしくて。
でも二人でさ、昔あった山の遊具の上に座って星を見てたら、気持ちが温かくなって。
その時も今日みたいな澄んだ夜空だったな。」
夜空を見上げながら、ふっと笑った。
「あまりの心地よさに、自分の気持ちをその子に全部ぶちまけてたな。…今考えると格好悪いけど。」
「でも」と悠が揺らしていたブランコを止めた。
「その時かけてくれた言葉が、今の俺を支えているんだ。」
それから、何かあるとこの場所に来て色々考えるようになったと悠は頬笑んだ。