魔法都市


「……で?話ってのはなに?」

「これからのことなんだけど…篠原くんはどう動くつもり?」

「どうって…そりゃお前や洸さんの指示に従って動くつもりだけど?オレは権限がねぇ勝手に動くことが出来ないからな」

「そうよね」
(やっぱり…)

奏は彼がそう答えることをわかってた

「お前はどうすんだ?」

「あたしは勝手に動くわ。例え危険だと言われても…」

「え…?」

「10年前に…あたしが実験の被害者だって話聞いたわよね?」

「あ…あぁ」

いきなり10年前の話を切り出す奏に悠太は驚く

「気にならないの?なんの能力が植え付けられたのか…」

「気になる…がオレはムリに聞かねえよ」

「え…」

「だがな、この先の未来が変わるなら聞く」

(未来が変わるなら…か)


奏は知っていた
この先の未来がどうなるかを―――

ほんの一部が変わったとしても自分と悠太がどうなるかや全ての“未来”が変えることが出来ないことを

「あたしは…」

「え…?」

「あたしはもう長くない」

「……は?なに言って…」

「“あの日”を境にあたしの命は長くないのよ」


< 105 / 236 >

この作品をシェア

pagetop