魔法都市

「…………」

周りを警戒しながら歩いていくと一つの部屋から明かりが見えた
気付かれないようにこっそり見ると暗い部屋に白衣を着た二名ほどモニターをいじっていた

「咲哉くん…」

声を落として咲哉に連絡を入れるとすぐさま応答があった

『あ、奏さん?』

「いま、あたしがいる部屋の様子見れる?」

『見えます。白衣を着た二人が…』

「ありがと」

そう言って通信を切るととある単語が奏の耳にはいる

「黒羽も……か……」

「そうだな。なにせ所長が…」

''黒羽"という単語だ
そして確信した

コイツらはいま自分たちが追っている黒羽研究グループのヤツらだと

「……っ!」

意を決してバンッと思い切りドアを蹴破ると中にいた二人が「誰だ!」と叫び持っていた銃を構える

「……子供!?」

「なぜ子供が!?」

奏を警戒して銃を下ろす様子は無くその様子はパソコン越しから見ていた咲哉と蓮斗にも緊張が走った

『あのバカ!』

『奏さん!?』

二人の声など聞こえなかったのか白衣を着た男たちを睨む

「悪く思わないでね」

そう呟くと一瞬のうちに気絶させた
いまの奏にとってコイツらがどんな存在なのか分かっていた

そして怒りを覚えるのもつかの間でどこからか声がした

《……久しぶりね》と


fin.
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