魔法都市

**

ーーーこれは数年前ほどの前の話

"異能者実験の事件"が起きる前の話だ

一つの研究機関組織が黒魔法の存在を知った
それが"黒羽研究機関"だ

黒魔法の名前自体は知れ渡っていたがそれが本当にあるのか
"それ"は一体どんなものなのか

その当時誰一人知ることは無かった

『へぇ、黒魔法ってほんとにあったんだ』

まだ若かった百合華はまだ大学生だった頃
当時は魔法も超能力も安全そのもので便利な特別なチカラだと……平和な頃だった

そんななか、魔法・超能力の研究も各大学院や研究機関組織で行われている

『またずいぶんと熱心よね』

『……夕紀』

『熱心なのは構わないけどたまには早く帰ったら?』

百合華にストップを掛けたのは夕紀だ
彼女と百合華は中学からの同級生だ

そしてもう一人……

『やっぱりここに居たのね』

ガチャと扉を開けて入ってきたのは一人の女性だ
二人は女性に気付く

『瑠奈(るな)!』

『……あんたまで来たのね』

瑠奈と呼ばれた女性はくすっと笑う
女性の名前は藍沢瑠奈

今は亡き奏の母親だ
大学時代は藍沢と名乗っていたが大学を卒業後、奏の父親である和眞(かずま)と結婚

そして奏を身ごもった



< 205 / 236 >

この作品をシェア

pagetop