魔法都市
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ーーーこれは数年前ほどの前の話
"異能者実験の事件"が起きる前の話だ
一つの研究機関組織が黒魔法の存在を知った
それが"黒羽研究機関"だ
黒魔法の名前自体は知れ渡っていたがそれが本当にあるのか
"それ"は一体どんなものなのか
その当時誰一人知ることは無かった
『へぇ、黒魔法ってほんとにあったんだ』
まだ若かった百合華はまだ大学生だった頃
当時は魔法も超能力も安全そのもので便利な特別なチカラだと……平和な頃だった
そんななか、魔法・超能力の研究も各大学院や研究機関組織で行われている
『またずいぶんと熱心よね』
『……夕紀』
『熱心なのは構わないけどたまには早く帰ったら?』
百合華にストップを掛けたのは夕紀だ
彼女と百合華は中学からの同級生だ
そしてもう一人……
『やっぱりここに居たのね』
ガチャと扉を開けて入ってきたのは一人の女性だ
二人は女性に気付く
『瑠奈(るな)!』
『……あんたまで来たのね』
瑠奈と呼ばれた女性はくすっと笑う
女性の名前は藍沢瑠奈
今は亡き奏の母親だ
大学時代は藍沢と名乗っていたが大学を卒業後、奏の父親である和眞(かずま)と結婚
そして奏を身ごもった