魔法都市


「ちゃんとやってるわよ」

「それならいいけどさ。あ…弥生から聞いたけど新しい人MEEOに入ったんだって?」

「あぁ、篠原くんのこと?」

奏は再びパソコンと向き合い蓮斗に返事する

「あの夕紀さんの子供らしいじゃん」

「その辺の情報はしっかりあんのね、あんた」

「あはは」

チラッと横目で蓮斗を見る
彼は楽しそうに笑いながら近くのソファーに座る

「でも彼を侮らないほうがいいと思うけど?」

「夕紀さんの子供だから?」

「……」

奏は椅子をクルッと回して蓮斗の方を向いてクスッと笑い

「確かに夕紀さんの子供だけど、夕紀さん以上に力が強そうだからね」

「……へぇ。そいつは楽しみだな。ま、期待はしてますよ特別総指揮官サマ」


蓮斗はわざとらしく言うと部屋から出て行くのだった
一人になった奏は窓に近付き街の様子や景色を見つめる

「……“特別総指揮官サマ”ね」

ボソリと呟く

「さっきと終わらせないといけないわね…。二度とあんな悲劇を繰り返さないためにも…」

真っ赤な夕日が奏を照らすのだった


fin.
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