ピアスに恋した少女
運よく3年生はこの時期、卒業日課のため、由美はあたしが家にいることを不審には思わなかったようだ。



玄関に放りっぱなしの部活の荷物。

バスケットボールとユニフォーム、バッシュが入っている大きな鞄が目に入った。


由美と同じバスケをやっていたあたしは、本当に本気で打ち込んでいただろうか……。



部活も勉強も、何もかも順調で楽しかった2年生が終わり3年生になった今。

部活にも勉強にも熱中できず、少し手を抜いたところが多かった気がする。


やっぱり、あたしは修也と付き合っている間に少し変わったのかもしれない……。





受験はとっくに終わり、中学校生活で残るは卒業式だけ。


それを終えれば、あっという間にあたしは高校生になる。

最終的に第1志望は諦めてしまったが、第2志望の公立高校に受かったあたし。



あたしは誓った。


二度と同じ過ちは繰り返さない。

絶対に後悔したくないんだ。



そしていつか、アイツを見返してやる。


今までのあたしは違うんだ、変わったんだ、と。



中学校でやり残したこと全部。

勉強もやりたいことも。


あたしはもう後悔はしない。



< 6 / 10 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop