サワーチェリーパイ
「晴斗、お前優しいよ」
「おう、優しいぞ。じゃ、俺の家に行こう」


そう言って、来た道を引き返し、晴斗の自宅へと向かう。


「たっだいまー」
「お帰りなさい、あら、あんたなんでそんなカッコしてんの? 」


出迎えた晴斗の母は、御花台の制服を着ている息子に目を丸くする。


「色々、事情があんだよ。なあ、こいつにもメシ食わせてやってくれ」


横にちょこんと立っている陽生の存在に気付き、悲鳴を上げる母。


「大変よぉぉー! 晴斗にカノジョが出来たわよぉぉ! 」


それを聞きつけ、御園家は大混乱におちいる。

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