サワーチェリーパイ
嫌味を残して、店を出て行く2人にうんざりした顔になる虹太。


成績においては、この7人の中で自分が最低だと知っているからだろう。


それでも、女の子にかけては晴斗より上だと胸を張り、アドバイスを始める。


「明日からでもいい、声かけて来いよ」
「無理だよ、第一彼氏が居たらどうすんだよ」
「お前はいっつもソレだな、やる前から妄想しちゃあダメって決め付けてさ」


確かに、これまで繰り返して来た短い交際では、ほとんど相手からの告白を受けて始まっただけで、自分から積極的に動いた事は一切無い。


「俺やマーティン、アーリオを見ろよ。女の子には押しが一番効くんだぞ」
「お前らはただのナンパだろ、しかも、Hしたいだけの」
「健全な男は皆そうだ、まあ、三次はクロウトしか相手にしないけどな」
「あいつは別格なんだよ」


三次は特定の彼女を持たない、女子高生から告白されても絶対に受け付けないと噂になっている程だ。


それが彼の魅力を増し、女の子はどんどん吸い寄せられて行く。
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