それでも好き

彼の正体

HRが終わり、さっそく一時間目が始まった。




チャイムと同時に、クラスのみんなは自分の席に着く。




嫌だな・・・高橋君の隣。




あ・・・そういえば高橋君の下の名前ってなんだっけ?




あたしは少し勇気を出して聞いてみることにした。




『ねぇ!高橋君の下の名前って何?』




高橋君はあたしの声に気づき、目を合わせる。




ドキドキするんだけど・・・!



いやいや、こいつに惑わされちゃ危ないわ。




「知りたい?」




高橋君は上目線であたしを見下ろす。




・・・やっぱりこいつむかつく。




『知りたいから聞いてるんじゃん』




あたしはふてくれさた顔で呟く。




「夏樹だけど。てかお前さっきから喧嘩売ってんのか!?」




高橋夏樹はあたしの机を叩いて怒鳴った。
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