幕末にゃんにゃん【完】





「そして、咲月は何も言わず新撰組を去った。俺にすら、全て何も話さず」




一君は、顔を片手で隠しながら俯いた。




『……そっか』




「普段から影で色々と嫌がらせをしていたことが分かったのは、彼女がココを去ってからだった」




総司は、私の目を見ながら教えてくれた。




彼女を問い詰めるにせよ。当事者である咲月さんがいなければ、どうすることもできない




だから、飯塚さんは今も新撰組にいる。




咲月さんは怖かっただろう。あんな体験をしたのだから……。




思い出してブルッと体が震えた。




「君は咲月ちゃんによく似てる」




俯いていた私に総司の言葉が降りかかる。





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